リフィル処方せんをご存知ですか?薬剤師が解説します【ほのぼの薬局上本町】

2022年4月からリフィル処方せんが導入されました。
これは医療業界にとって大きな変化です。
実はこのリフィル処方せんは10年以上前から議論されてきましたが、なかなか導入には至りませんでした。
しかし、ついに導入が決まったのです!!

リフィル処方せんはメリットが多くあります。
もちろん患者のあなたにとってのメリットも大きいです。
そこで今回はリフィル処方せんについて解説したいと思います。

目次

リフィル処方せんとは?

「リフィル処方せん」という言葉自体聞くのが初めての方も多いのではないでしょうか?
リフィル処方せんとは「一定期間内であれば医療機関を受診せずに、繰り返し薬局で薬を受け取れる処方せんのこと」です。
※「リフィル」にはボールペンの替え芯の様に「詰め替え・補充する物品」という意味があります

繰り返しの回数:3回まで
■対象外の薬
・向精神薬など投与期間に上限があるもの
・湿布

ご存知のようにこれまでの制度では処方せんは1回限りの使用で、再度受診しないと同じ処方せんの薬は受け取れませんでした。
それが、リフィル処方せんをもらえば、病院に再度受診しなくても、薬局で同じ薬を受け取れるという事です。
これは大きな制度改革です。
ちなみにこのリフィル処方せんはアメリカやイギリス、フランスなどの欧米ではすでに導入されている制度です。

リフィル処方せんのメリット

では、具体的にリフィル処方せんのメリットをあげます。

  • 通院負担の軽減
  • 病院での診察代の軽減
  • 国の医療費軽減

患者側のあなたにとって大きく関係するのは1と2ですね。
コロナ禍の現状を踏まえると
感染リスク、金銭負担(診察代・通院交通費)、時間負荷などの軽減につながります。
回り回っては、国の医療費の軽減→税金の軽減につながるかもしれません。(難しいとは思いますが…)
このようにメリットはかなり多いです。

リフィル処方せんのデメリット

これまで、リフィル処方せんのメリットばかりお伝えしてきましたが、当然ながらデメリットもあります。

  • 小さな体調変化に気付きにくい
  • 医師との関係性の希薄化

特に1つめが大きなデメリットです。
小さな体調変化を見逃すことで、大きな悪化につながることも起こりえます。
ですので、当然ですがリフィル処方せんを発行されたとしても体調がおかしいなと感じた時は迷わず受診してください。
決してリフィル処方せんが終わるまで受診できないわけではありせんので。
(デメリットの回避方法は「7.今後のためにもやるべきこと」にも記載しています)

リフィル処方せんが適する患者様

対象は以下の通りです。

「薬剤師による服薬管理の下、一定期間内に処方箋の反復利用が可能な患者で、
医師が病状を踏まえて利用の可否や投薬期間を判断する。」

要約すると「症状が安定している慢性疾患の患者様」が対象ということになります。
当然ですよね。
これまでより長い期間、医師の診察がなくなるため、病状が安定していないといけません。
その中でも特に「頻繁の通院が困難な患者様」は考慮されやすいかもしれません。

リフィル処方せんが可能な処方せんの見方

ではどの様にしてリフィル処方せんと一般の処方せんを見分けるのでしょうか?
前提として、リフィル処方せんが出される場合は、医師から事前に説明があると思います。
その上で見分け方です。
見分け方は簡単です。
2022年4月から処方せんの様式が若干変わります。
こちらがその新しい処方せん様式です。


真ん中下あたりに「リフィル可(  回)」という記載があります。
こちらにチェックと回数が記載されていれば、リフィルが可能ということになります。

リフィル処方せんの注意点

では、リフィル処方せんが発行された際の注意点です。
大きく2つあります。

  1. 処方せん原本を失くさない

リフィル処方せんで3回繰り返し可能な場合、1回目、2回目の薬を受け取った後は処方せんを患者のあなたに返却されます。
そのため、3回目の薬の受け取りが終わるまでは自宅にて保管することになります。

  1. 2回目、3回目の来局を忘れない(残薬がある場合は特に注意する)

2回目以降の受け取りのルールは以下の通りです。

———————————————————————–

■1回目:当日含め4日以内(通常通り)
■2回目、3回目:原則、前回の調剤日を起点とし、当該調剤の投薬期間を経過する日を次回調剤予定日とし、その前後7日以内

【例】
■1回目の受け取り:4月15日(金)に28日分とします。
■2回目の受け取り:28日後の5月13日(金)が調剤予定日

その前後7日間の「5月6日(金)〜5月20日(金)」が受け取り可能日となります。
2回目を5月11日(水)に2回目を受け取ったとします。

■3回目の受け取り:28日後の6月8日(水)が調剤予定日

その前後7日間の「6月1日(水)〜6月15日(水)」が受け取り可能日となります。

———————————————————————-

「ややこしいよ!」

と思ったあなた!安心してください。
処方せんのこちらの欄に薬局に次回調剤予定日が記載されます。


ですので、記載日の前後7日以内に薬局に薬を受け取りに行けばよいと思ってください。

今後のためにもやるべきこと

結論は「かかりつけの薬局、もっと言えばかかりつけの薬剤師を持つこと」です。
かかりつけ薬剤師とはあなたの薬や体調をきちんと把握し、症状に応じた適切なアドバイスができる薬剤師です。
そして「些細な変化もきちんと薬剤師に伝えること」です。


先述した様に、リフィル処方せんの最大のデメリットは「小さな変化に気付きにくいこと」つまり安全性面です。
毎回受けていた医師の診察がなくなり、代わりに薬剤師が症状の安定を確認し、継続服用してよいかを判断します。
薬剤師は重大な副作用の初期の起こりやすい症状なども把握しています。
そのためにはきちんと毎回同じ薬局で(可能なら同じ薬剤師に)確認してもらう事が重要になります。
ぜひ、かかりつけの薬局、かかりつけの薬剤師を持ちましょう。

【最後に・・・】リフィル処方せんを受ける薬局選びのポイント

  • 自宅の近くの薬局

病院を受診しないので自宅の近くの方が便利です。
自宅近くの方が困ったときの相談もしやすいのではないかと思います。

  • 信頼できる薬剤師がいる薬局

先述の様にこれまで以上に薬剤師の重要性は増します。
ただこれは何度か薬剤師と会話しないとわかりませんが。

もちろん、当薬局(ほのぼの薬局上汐店:大阪市天王寺区上汐4-1-29北岡ビル1階)でもリフィル処方せんを受け付けています。
お近くの方はぜひご相談ください。

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処方せんを事前に送付いただくと、待ち時間の軽減にもつながりますので、ぜひご利用くださいl

【HP】

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